FD(会食恐怖症)って何?

会食恐怖症って何?

人と食事することが苦手
  • 私(当サイト管理者)は医者ではありませんので、正確な定義はできませんが、簡単に言うと、人といっしょに食事をすることやレストランなどでの外食が苦手だったり、できなかったりする症状のことと言っていいでしょうか。特に若い頃の、食事に関する何らかのいやな体験が原因となっている場合が多いと言われています。
  • 食事は、生きていくうえで最も基本的な活動であり、コミュニケーションの手段でもあることから、この症状を持つ方は、社会との関わりに少なからず困難を抱え、悩んでいらっしゃると思われます。
  • また、この症状の厄介なところは、周囲の方に理解されにくいことです。会食恐怖は、「特定の場面で食べられない」症状であり、通常はいたって健康である場合も多く、一見「病気」(そう呼ぶのが適切なのかどうかはさておき)に見えにくいため、単に食べ物の好き嫌いであるとか、失礼であるとか、わがままであると捉えられかねません。食事は残さないのがエチケットですが、FDの方自身がそのことを誰より分かっているがゆえに、悩みが大きいのです。

具体的にどんな症状なの?

  • 典型的な例では、人といっしょに食事をする必要が生じた場合、食事の前から心臓がどきどきしたり、漠然とした不安感に襲われ落ち着かない気分になったり、不自然にのどが渇いたり、気分が悪くなったりすることがあるでしょう。強弱はあると思いますが、「 あがり」の症状とほぼ同じと考えられます。
  • いざ食事を前にしても、周囲の目が気になって一切のどを通らなかったり、無理やり口に入れても飲み込めなかったりします。症状が強い場合は、口にものを入れること自体、ほとんどできない状態になるでしょう。
  • 症状が出るかどうかは、相手や場所にもよります。家族や、親しい友人が相手の食事の場合は、比較的症状が出にくいようです。ただし、親しい友人や親族であっても、家に招かれて手料理をふるまわれたり、おごってもらうことになった場合など、「食べなければ相手に悪い」「食べなければ失礼に当たる」と無意識に考えてしまうような場面は症状が出やすいと考えられます。
  • 私(管理者)の場合は、自分の食べなければならない量がはっきりしていることがプレッシャーになるため、量を自分でコントロールできるバイキング方式での食事や、食事そのもののウエイトが低く雰囲気もリラックスしたものになる「飲み会」などでは、症状が出ることはありません。症状の出方やその程度、どんな場合に症状が出るかなどは、人それぞれだと思われます。

会食恐怖症って、病気なの?

  • 会食恐怖症は、最近マスコミでも時々取り上げられるようになった「社会不安障害(SAD=Social Anxiety Disorder)」の一つと位置づけられています。SADの解説は、私は医者ではありませんので、専門のサイトをご覧くださいホームページ「SAD NET」)
  • 社会不安障害については、「もともと、あがり症などというのは昔からあった性格的な問題で、「社会不安障害」などという病名をつけることで、新たに「病気」を作り出そうという製薬会社の戦略だ」というような言い方がなされることがあるようです。このような議論をどう捉えるかは、人それぞれでしょう。そういう側面もあるのかもしれません。
  • でも、会食恐怖に悩む人にとっては、それを「病気」と定義すべきであるかどうかなどというのは、どうでも良いことです。症状を持つ者にしてみれば、人生を左右しかねない問題であり、それは決して単なる「あがり」といった、単純に慣れにより回復できるような次元のものではありません。現実に、人前で食事がとれず、苦しんでいる人がいるという事実、そのことを知っていただきたいと思います。